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インタビュー
「南相馬市立総合病院 五十嵐看護部長」
福島から全国へ、
看護師の笑顔を発信していきたい──

福島県南相馬市にある「南相馬市立総合病院」は、東日本大震災で甚大な被害を受けた医療機関の一つ。震災から5年経った2016年春、地域の中核病院として更なる飛躍を目指すため、副院長兼看護部長に五十嵐里香氏を招きました。五十嵐さんは、これまで数々の病院で、看護師の採用・離職防止を成功に導いてきたカリスマ性のある看護師。看護師不足解消の具体策と、福島復興への熱い想い、今後の南相馬市立総合病院の方向性を、存分に語っていただきました。

看護師の確保定着が、
医療サービスの質を上げる。

五十嵐さんは、福島県出身だそうですね。

はい。生まれは会津若松市です。新卒で地元の病院に就職して、結婚と3度の出産を経験しながら、36歳で看護部長職に就き、2003年まで福島で働いていました。その後は東京に拠点を移して、管理職の立場でさまざまな病院の「看護師採用サポート」や「離職防止対策」に取り組んできたんです。

看護師の確保や離職防止に携わる中で、どのような気付きがありましたか。

看護師の離職が多い病院に、質の高い医療の提供は難しいということです。「看護師の定着」と「医療サービスの質」って、すごく関係しているんですよ。看護師が笑顔だと、医療サービスの質は自然と上がって、病院の経営状況は良くなる。だから、看護師が働き続けたい職場をいかに創っていくかが、いつも私のテーマなんです。

看護師が定着する職場づくりに一番必要なことは、何だと思いますか。

女性が多い業界なので、出産・育児を支援する制度や、ワークライフバランスを踏まえた労働条件の見直しは欠かせないと思っています。でも、一番必要なのは、管理職のリーダーシップや現場に対する心遣いです。人は心で育てるものであり、マニュアルでは決して育てられないですからね。だから、現場をまとめる師長や主任のモチベーションを上げ、部下に対する正しい「叱り方・褒め方・指導の仕方」を伝えていくことは、看護部長の重要な役割だと考えています。
そして、私の仕事のモットーは、「明るく・楽しく・やりがいのある病院づくり」。私自身がいつも元気にパワフルな状態で、部下とのコミュニケーションをたくさん取るようにしています。

頼りにしている副看護部長たち。主に教育を担当しており、クリニカルラダーに基づいた研修の企画や、管理者層の意識啓発を図るため、ファーストレベル、セカンドレベルの教育課程の受講を推進しています。

今まで以上に
地域に貢献できる病院を目指して

南相馬市立総合病院へは、どのような想いで赴任されたんですか。

生まれ育った福島の復興に携わりたいというのが一番ですね。震災当時、故郷のために何もできないことがすごく悔しかったんです。苦楽を共にした新人時代の同期も被害に遭っていたし、自分に何かできることはないか、ずっと考え続けていました。だから、南相馬市立総合病院から赴任のお誘いを受けた際は、すごく運命的なものを感じたんですよ。この機会を逃したら絶対に後悔すると思いましたし、今までの経験を福島のために活かそうと思いました。

病院を初めて訪れた時、どんな印象を受けましたか。

とても優秀な看護師が揃っていることに驚きました。特に、副看護部長、師長、主任など、管理者層の仕事に対する意識が高いんです。ただ、そんな優秀な人材を活かしきれていない部分もあり、組織体制を整えていけば、二次救急病院としての機能強化を図ることができ、これまで以上に地域の基幹病院としての役割を果たしていけると思いました。

なるほど。具体的に、どんな体制が整っていなかったんでしょう。

震災以来全病棟を再開していなかったり、夜勤を1病棟4名の看護師で行っていたり、7対1の看護配置を取得していないのももったいないと思いました。だから、まずは全病棟を再開して、夜勤を看護師3名体制にしたんです。あと、これだけ優秀な看護師が揃っていれば、救急搬送の受け入れも増やしていける自信があったので、地域に不足している救急部門を充実させていきたい考えを、開設者である市長や当時の院長に伝えました。

反応はどうでしたか。

とても協力的で、東京から赴任したばかりの私の意見を、ここまで受け入れてくれるとは思わなかったです。市長も当時の院長も、あの震災を乗り越え、南相馬市立総合病院の成長・発展に尽力してきた素晴らしい方々で、この人達とチームを組めば、この病院をさらに成長させられると確信しました。その第一歩として、救急部門拡充のために「救急救命士」を病院で雇用する提案をしたら、二人ともとても共感してくださり、協力してもらえることになったんですよ。

相双医療圏の中核病院として、幅広い診療科を揃え、二次救急の指定や、災害拠点病院の指定も受けています。2017年2月には、「脳卒中センター」がオープンして、その中にERが新設され、屋上にはヘリポートが設置されました。

東日本大震災を乗り越えた、
南相馬市立総合病院の今。

南相馬市立総合病院では、災害医療に力を入れているそうですね。

はい。被災した経験から、多くの職員がDMATの専門訓練に参加し、現在3チームのDMATが結成されています(※DMAT…専門のトレーニングを積んだ、多職種で構成された災害時派遣医療チーム)。2016年には、都内から災害医療に関心を持つ看護学生を受け入れて、「被災地看護研修」を開催しました。

他にも、震災後に取り組み始めたことはありますか?

震災直後は深刻な医師不足に悩んだので、臨床研修施設の指定を受け、医師の育成に積極的に取り組むようになりました。また、原発事故による内部被ばくを心配する市民のために検査機器を導入し、内部被ばく検査を継続しています。それから、仮設住宅への「訪問診療」や、看護師による「予防接種巡回」など、被災者向けの医療サービスにも積極的に取り組んでいますね。

南相馬市立総合病院の魅力は、どんなところだと思いますか?

あの震災を乗り越えた病院だけあって、とにかく職員にパワーがあります。人の痛みがわかる、心の優しい職員が多いんです。そういう仲間と一緒に仕事ができるのは、一生の財産になると思いますし、まだまだ成長しようと奮闘中の病院なので、働く側もいろいろな挑戦ができると思います。
2017年2月に、本棟に併設して「脳卒中センター」をオープンしたこともあり、地元出身者だけでなく、全国から人材を募集していますよ。地域に根差した市立病院ですが、震災後は他県からの入職者が増えていて、「借り上げ寮制度」も用意しているんです。

看護部の教育体制はどうですか。

副看護部長が中心になって取り組んでいるのですが、レベル別の院内研修がとても充実しています。管理職に興味を持つスタッフには、ファーストレベル、セカンドレベルの管理者教育課程を積極的に受講させていますし、認定看護師を目指すスタッフへのバックアップ(研修費の負担、研修中の給与補償など)も手厚いです。現在、緩和ケアと脳卒中リハビリテーション看護の認定看護師が在籍しています。

当院には、3チームのDMATが結成されていて、総勢16名の隊員が在籍しています。災害時には全国各地に赴く体制を整えており、熊本地震においても、現地で救護活動に取り組んできました。

看護師が笑顔で働ける環境作りと、
災害医療のスペシャリストの育成

五十嵐さんの今後の目標について教えてください。

私は東日本大震災の発生から1ヶ月も経たない頃、テレビ番組(TBS『夢の扉 看護師を増やす驚きの秘策&地域医療を支える看護部長』)に出演して、自分の夢について語ったことがあるんです。その夢とは、私が定年を迎える2020年までに、日本中の看護師を笑顔にすること。だから、震災前より活気を失ってしまったこの病院を、再び看護師の笑顔で溢れる場所にしていきたいんです。福島から全国へ、看護師が笑顔で働ける職場モデルを発信していくことが、今後の大きな目標ですね。

とても素敵な目標ですね。では最後に、このサイトを見ている求職者にメッセージをお願いします。

当院に入職していただければ、働きがいを追求できるように、そして「本当の笑顔」で働けるように、精一杯バックアップしていきたいです。地域に求められる病院に何よりも必要なのは、「看護師の笑顔」だと思っています。スタッフのモチベーションを高め、安心して長く働ける環境を作り出すことで、地域の患者様に温かいケアを提供できると考えています。
また、震災後、当院には全国からたくさんの医療スタッフが応援に駆けつけてくれました。それに対して、当院のスタッフ達は心から感謝していて、今度は自分たちが、支えられる側から支える側になりたいと考えています。全国の皆さんへの恩返しは、これからの当院が取り組みたい大きな活動の一つ。2016年4月に発生した熊本地震においても、当院からDMATを派遣し、避難所の整備や巡回を中心に活動してきました。当院はまさに、全国の災害医療を支える医療スタッフが生まれる場所です。当院の活動に賛同していただける方、災害医療に興味のある方、ぜひ一度見学にいらしてください。

看護部には、幅広い年齢・キャリアのスタッフが活躍しており、地元出身者だけでなく、全国から人材を募集しています。キャリアアップ支援も整っているので、緩和ケアと脳卒中看護の認定看護師が在籍しています。



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